コロナ以降の日本を自分なりに考えてみた

介護

過去30年日本の地位は下がり続けている。フォーブス上位20社中17社を日本企業が占め、ジャパンアズナンバーワンと言われ、アメリカの会社がこぞって日本のTOYOTAやSONYなどの工場見学に訪れ学びに来たのは昔話。

日本の平均賃金がほとんどあがらない中、アメリカの平均賃金は2倍、中国に至っては10倍以上になり、日本はもはや物価の高い国ではなくなった。

人口減少はマーケットの縮小を意味する。日本国内でビジネスを行う場合は、マーケットの縮小という大きな問題に直面することになる。

国内のマーケットは縮小する

これから起業するにしても、会社で新規事業を行うにしても、あるいは既存の事業のマーケティングを考えるうえでも、主に国内を相手にした事業は人口減少という制約に直面することになる。

加えて少子高齢化の進展により、高齢者の割合が増える。高齢者は購買意欲が若者よりも低い。例えば高級車や別荘などに興味が無くなるし、ブランド品なども欲しくなくなる。食事もそれほど量も食べられないし、お酒も弱くなる。

さらに世の中が所有するよりも利用する方に価値を置く文化になっている。自動車などがその例で、都会では自動車を持たず、レンタカー、カーシェアリング、あるいはタクシー利用などですます層が増えている。つまりシェアリングエコノミーの進展である。

私も大分前に車を売ってしまった。実は私は車が大好きで、大学生の時に最初にトヨタのコルサを親戚から格安で買い、それからチェイサーに買い替え、その後フォルクスワーゲンゴルフが2台、最後はマツダのプロシードマービーという大型の4WDの車に乗っていた。フォルクスワーゲンゴルフ以外は結構マニアックな車が多かった。

しかし、子供が大きくなった事、駅から6分と言う場所で特に車が必要でもない事から自動車を手放し、それ以来20年くらいになるが、特段不便を感じた事がない。何よりお金の節約になっている。

ブランド品も同様で、20台の頃は、アルマーニのスーツにネクタイ、フェラガモの靴にロレックスの時計といった格好をしていたが、今ではほぼ全身UNIQLOである。

お金が無いと言えばそれまでだが、仮にお金がたくさんあっても僕はもうブランド品は買わないだろう。それよりは会社の広告費にあてたり、新規事業の資金にあてたいと思う。

シェアリングエコノミーと高齢化、ミニマニスト的生活

老人ホームの運営を長くやってきたこともあり、また現在老人ホーム紹介センターの仕事をしていたこともあって、誰よりも多くの高齢者を見てきたと思うが、結局いくら物があっても幸せではないし、むしろ物が少ない方が快適に過ごせるという事を実感している。

老人ホームの面積は平均で17.4㎡である。

サービス付高齢者向け住宅の場合は基本25㎡であるが、共用施設が基準以上を満たしている場合は18㎡という決まりがあり多くのホームは18㎡である。

面積基準の無い住宅型有料老人ホームの場合は13㎡以上であり、特養にいたっては10㎡、グループホームは7.43㎡である。なので、値段の安さだけを考えて入居するとあまりの狭さに愕然とするかもしれない。

最低でも20㎡くらいは欲しいところではあるが、部屋の広さは家賃に比例する。

そこで、早すぎると言われるが、いつ病気になるかわからない。だから、老人ホームに入居した時の事を考え、今からモノをなるべく少なくして生活している。

ホテルで生活しているみたいと言えば格好がいいが、要するにモノを買うお金も無ければ、若い時のようにあれが欲しい、これが欲しいといった欲も無くなっているだけである。ただモノが少ないと掃除も楽だし、綺麗だと素敵な部屋に見えなくもない。

高齢者はモノの無い時代に育ったせいか、モノをなんでも貯める癖がある。しかし、紙袋とか割りばしなどたくさんあっても一生かかっても使いきれないだろうし。まして子供が50歳を過ぎているのに、学習机とかランドセルとか昔書いた絵とかを保管しておく必要はないと思う。

日本は人口減少社会に入っており、またモノを所有するよりも使用する方に価値を置くような時代になったこともあり、モノを売るビジネスが今後はますます厳しくなっていくであろうし、まして店舗型のビジネスの場合は固定費もかかるし、営業時間以外の売り上げが期待できないので、事業を変える事を検討した方が良いと思う。

モノより経験、感動

モノが無い時代はモノを買う事で満足を得られたし、同時にモノを買う事が目標になった。

高度成長時代には3Cといわれたクーラー、カー、カラーテレビを買う事が庶民の憧れとなり、その為に一生懸命働いた。バブルの時代には高級ブランドが飛ぶように売れ、海外に出かけてブランド品を買いあさる日本人の姿も見られた。

本来は50代くらいの年齢のセレブが使用するようなエルメスやルイヴィトンを、日本では20代の若者までもが身に着けている。それが平成の初めの頃の姿であった。

しかし、今の時代はブランド品に値段以上の価値を見出せなくなった人が増え、以前ほどブランド品が売れなくなった。特にコロナ禍で売り上げを大きく下げ、業績悪化に陥った高級ブランドの企業も多い。

ただコロナが終息したら、また景気が良くなるかというとそれは考えにくい。僕はUNIQLOに価値を見出し、むしろブランドのロゴがはいった洋服などは着たくないと感じているように。あるいはモノを持つよりできるだけレンタルとか中古ですませるなど、できるだけお金を使わないで生活できるようにする生活は今後もずっと続いていくだろう。

本当の危機はコロナ終息後に

冒頭、日本の国際的地位が下がり続けていると話した。今後も少子高齢化は続いていく。その結果、医療や介護、年金などの支出が増える一方であり、国の借金と税金や社会保障費もますます増える。

加えてコロナである。今は政府は景気回復とコロナ対策でお金をばらまいている。しかし、いつかはコロナも終息する。本当に怖いのはその後だ。深刻な不況が待っている。

結局、未来に回したツケはすべて若者の負担になる。サラリーマンは会社から搾取され、更に国からも搾取される。給料が伸びず、更に手取り額が減れば、結婚もできないし、子供も産めない。景気悪化と少子化がますます進むという悪循環に陥る。

それでも日本は良い国である

日本の将来はお先真っ暗みたいな事を書いてきたが、まだまだ日本は間違いなく経済大国である。気候も良く、四季があり、豊かな自然にも恵まれている。

しかしながら人口が減りながら成長を続ける国などどこにもない。今後30年間で生産人口が1/4以上減少することから、企業の労働力が縮小することで、ビジネスはさらなるリスクに直面する。

日本はG7諸国の中で、もっとも生産性の低い国であることが明らかになった。グローバル化が加速し、デジタル化や、テクノロジーのイノベーションが進むことを考えると、日本の将来は明るいなどとはいくら楽観的な自分でも思う事はできない。

だからこそ、そんな日本を少しでも良くしたいと僕は強く思っているが、一人の力などたかがしれている。

でも、同じ考えの人がたくさん集まれば少しでも日本を良くできると思っている。その為に、当社も社員を募集することにした。また、いろんな会社とコラボすることも考えて、今もそれを続けている。

みんなが自分の事だけ、今の事だけを考えるのではなく、他人の事、未来の事を考える。そんな社会になれば日本も少しは良くなると思う。

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